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 棘と一緒に呑み下す
 繭の中で見えました
 文字の羅列を掲げて綴る
 小瓶の透かし(光が眩しい)
 優しさになぞらえて数える
 奥行きは深ければそれでいい
 薄紅の砂糖漬け
 身を埋めて朝を感じ入る
 秒針が先走る
 かぐわしきかな

 ノスタルジアをろ過する(全てを消し去ってしまいたい)
 不機嫌さに触れるような
 髪の一筋を下さい
 それは片羽朽ちるまで、果ては両羽が堕ちるまで
 手を伸ばしても、離れるんじゃないか
 純真さが疎ましい
 枕に貝殻
 透きとおるのに通れない
 糸を啄ばむ
 輝かしくも愚かしい

 掬った涙は甘かった
 拝啓、
 触れた唇が濡れている
 さすらば笑いはしなかったのに 
 ページをめくる指(その仕草すらも恋しい)
 色彩のモノクロ
 ハンモックが揺れる
 命の繋ぐ遊び
 そうして物語りを閉じるのだ
 飛び降りて、走って、また。

 朗らかに囁いてみた
 哀しさを織り交ぜる留意点
 亡骸を慎ましく抱く(愛している。いつまでもいつまでも、愛している)
 終わっているのだろう?
 童話の王様を恋い慕う
 あなたに歌ってほしい
 マグに口付ける
 暗転していく癖に、その瞬間はやけに鮮明だった
 ログが蘇る
 修正の利かないフィクション

 廃染め
 曲線美を眺めて
 貪欲者へのアラカルト
 エピローグなプロローグ
 仮定上の家庭
 物思いに耽る仕草
 したためた者の綴り
 芳香に繕う
 仄暗さの残る先
 いつかは振り返ってくれるのを待っていた