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カルキ臭い屍 世界は妖艶に嗤う 建前じみたクオリティー 息するための錠剤 枯渇の気配 ゆがんだ形は変わらない それは骨から髄まで 狡猾さとの引き換え券 抑鬱にあしらわれた人 高尚は陰鬱な墓標の中に 食い散らかした血液 拒絶心を嚥下する 虚無も積もれば山となる 薄らぎの記憶はいずこへ 魚の背骨と歌の爪 タイトルは無題 性格補正具 うつらうつらと死ぬ 土の底はあたたかい 青ざめている赤子 懺悔は星の数ほど 人は多くを語れないから 過去はループしていく 神様仏様聖母様、ただ僕を愛して 心ごと噛み砕く音は鮮明なほど 日々の流れは物寂しい 混血のさだめ 死んでる声はゆるゆると 片翼の鷹 牙を手折るのはきみ 彼の血は薄い 仕上げに香りづけ ファンファーレは仄暗く 鮫肌な壁に頬ずり 甘い水は毒の味 その場はピカレスク小説のよう (※ピカレスク小説=悪党小説) 糸に吊らされた男・糸に縋った女 刺青のような浮名を 空々しい見取り 唇の微熱 檻の中でそっと浮上、邂逅 アトナールを奏でる (※アトナール=無調音楽) 私の生命線は絶てない お前が咥えた鉄の枷 情の視力 増やした息 この爪で傷をつけたなら 舌癖で催促 薄いガラス越しで 信号は赤。僕は渡った。 |