≫≫051-100 ≪ 監獄のようなその場所が滑稽に崩れるその様を見届けよう 神よ、どうか哀れな優越感に浸る彼らをお救い下さい つみぶかいわたしにはなにもないのだけれど、でも、 彼女は純朴な毒をふりまき、そして いつの日も美しかった。まるで吐き気がするほど 首筋に穿たれる牙のような冷たい恐ろしさを持ちたい 手折られようとも空へ行ける、強靭な翼が欲しい 自分の足に巻きつく枷を絶ち切りたい 鱗を剥ぎ取って呑み込ませればいいと いつも素朴そうなふりをして僕を悩ませていたあの子は脳裏の奥で霞んでいき、 人を見る目は背筋が凍るほど冷たくて、でも瞳は涙が出るほど暖かで 全て終わる頃まで、ずっとここで書いている 何かを拒めるほどに、ほら。世界は優しいだろう? お前がいなきゃこの世に留まる意味も残らないじゃないか! この恋が終わる頃、全てが夜に変わるでしょう 「否定はしない。まあ否定も出来ないんだけど」 「自分を取り巻くものは初めから終わっている気がしてる」 神前で僕らは何て罪深い行為をしている それでも尚、存在感を絶たれない彼が羨ましくて ただこの言葉に嘘偽りなど無いなんて、嘘 |